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併給調整及び離婚による年金分割

1 複数の年金を受けることができるときの年金の調整

(1)64歳までの併給調整

現在の公的年金制度では、1人1年金の受給が原則となっています。

したがって、老齢厚生年金(退職共済年金)、障害厚生年金(障害共済年金)、遺族厚生年金(遺族共済年金)のうち複数の種類の年金受給権を取得した場合には、原則として、選択したいずれか1種類の年金を受給し、他の種類の年金はその受給を停止します。これを「併給調整」といいます。

具体的には、受給権者が、受給しようとする年金とそれ以外の年金を記入した「年金受給選択申出書」を提出することにより選択していただきます。この選択は将来に向かっていつでも変更することができますが、年金の額の多少だけでなく所得税等の課税関係や各種保険料なども考慮して有利な選択を行うことが必要です。

併給調整となる例

なお、同一の給付事由による障害厚生年金(障害共済年金)と障害基礎年金などの併給調整の例外となる例(2以上の年金と同時に受給(併給)できる場合)があります。

併給調整となる例

(2)65歳からの併給調整の特例

前記(1)に関わらず、65歳からは、下図の組み合わせのように、複数の年金を受給することができるようになります。

なお、65歳になられて国民年金の老齢基礎年金の請求を行う際には、手続き先において併給に該当するかどうかの確認が行われますので、受給権をお持ちの年金について申告漏れがないようご注意ください。

併給できる例

(3)遺族厚生年金(遺族共済年金)の調整

65歳以上の遺族厚生年金(遺族共済年金)の受給者で、老齢厚生年金(退職共済年金)の受給権も有している場合は、まず先に老齢厚生年金(退職共済年金)を受給し、遺族厚生年金(遺族共済年金)と老齢厚生年金(退職共済年金)の金額を比較して、遺族厚生年金(遺族共済年金)の金額の方が高い場合にのみ、その差額を遺族厚生年金(遺族共済年金)として受給します。

これは、老齢厚生年金が支給されない場合、ご自身が加入し支払ってきた保険料が年金給付に反映されないことで、年金の掛け捨て感が生じてくるため、ご自身が加入してきた老齢厚生年金を優先的に受給していただくためです。

(例)65歳以降の年金の受給方法

(例)当組合の老齢厚生年金(退職共済年金)20万円、日本年金機構の老齢厚生年金40万円
当組合の遺族厚生年金(遺族共済年金)額120万円の場合

まず先に当組合の老齢厚生年金(退職共済年金)20万円と日本年金機構の老齢厚生年金40万円を受給したうえで、これらを合算した60万円よりも当組合の遺族厚生年金(遺族共済年金)120万円が上回りますので、差額の60万円を当組合の遺族厚生年金(遺族共済年金)として受給することとなります。

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2 離婚による年金分割

(1)離婚による年金分割制度の概要

平成19年4月1日以後に離婚した場合(婚姻の取消しを含む)、当事者双方の合意または裁判手続により按分割合を定めたときは、当事者の一方からの請求(請求期限は、原則、離婚から2年以内)により婚姻期間中における標準報酬月額及び標準賞与額を分割します。分割の対象者が年金受給権者である場合は、分割された標準報酬月額及び標準賞与額に基づき老齢厚生年金等の額を改定します。

離婚による年金分割のイメージ

また、平成20年4月1日以後の国民年金法上の第3号被保険者期間については、当事者双方の合意または裁判所の決定がないときでも、離婚または婚姻の取消しをした被扶養配偶者からの請求により、標準報酬月額及び標準賞与額を自動的に2分の1に分割することができます。

(2)対象期間標準報酬総額の情報提供

年金分割を行うにあたり、裁判手続き等により分割の按分割合を定める場合は、婚姻期間中における各月の標準報酬月額及び標準賞与額の総額等を記載した「年金分割のための情報通知書」が必要になることがあります。この情報通知書は、当事者双方のいずれかが加入したことがある共済組合又は日本年金機構に請求し、通知書には、婚姻期間中の第1号厚生年金被保険者から第4号厚生年金被保険者まで、全ての厚生年金被保険者の標準報酬月額及び標準賞与額の総額等を記載することとなっています。

情報通知書の請求は、離婚前でも行うことができます。

(3)標準報酬月額等の改定

按分割合が決定された場合は、請求により、当該按分割合により標準報酬月額等の改定を行います。老齢厚生年金(退職共済年金)の年金受給者について分割が行われた場合は、分割後の標準報酬月額等を年金の計算の基礎として、分割の請求があった翌月分から年金の額を改定します。

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